2025年2月18日、第7次エネルギー基本計画が閣議決定された(経済産業省)。2040年度のエネルギーミックスで再生可能エネルギーを4〜5割に引き上げ、再エネを初めて「最大の電源」に据えるという絵姿が、公式の数字として置かれた。報道はこの「4〜5割」を見出しに取った。

ただ、いま事業の成否を分けているのは「何割を建てるか」ではない。建てたものを系統が呑み込めるか、そして事業として収益が回るか——律速はとうにそちらへ移っている。設備容量の達成率という見かけの進捗の裏で、本当の制約は系統制約と収益構造に動いた。本稿は資源エネルギー庁・環境省の最新資料を土台に、よく引かれる達成率の数字を、その裏にある律速要因へ翻訳していく。第7次計画の数字を額面どおり並べるのではなく、現場で何が効いていて何が詰まっているのかを読み解くことを狙いとする。

1. 2040年の絵姿と、その読み方

第7次計画が示した2040年度の需給見通しは、複数のシナリオを束ねた「幅」として提示されている。まずは全体像を押さえておきたい。

2040年度エネルギー需給の見通し(資源エネルギー庁「エネルギー基本計画の概要」より)

エネルギー自給率:2023年度15.2%(速報値) → 2040年度3〜4割程度
発電電力量:9,854億kWh → 1.1〜1.2兆kWh程度
電源構成(再エネ):22.9% → 4〜5割程度
  ・太陽光:9.8% → 23〜29%程度
  ・風力:1.1% → 4〜8%程度
  ・水力:7.6% → 8〜10%程度
  ・地熱:0.3% → 1〜2%程度
  ・バイオマス:4.1% → 5〜6%程度
原子力:8.5% → 2割程度
火力:68.6% → 3〜4割程度
温室効果ガス削減:2022年度実績22.9%(排出量・吸収量を合わせた純ベース、2013年度比) → 73%(2040年度目標)

出典:資源エネルギー庁「エネルギー基本計画の概要」(令和7年2月)。GHG削減目標は同日閣議決定の地球温暖化対策計画による。

この表で査読の目を向けたいのは、数字そのものより実現可能性に温度差がある点だ。太陽光23〜29%は導入実績の延長線で届く射程にあるが、風力4〜8%は陸上の未稼働解消と洋上の立ち上げを同時に積み上げて初めて成立する綱渡りの数字で、後述する洋上の躓きを踏まえれば下限すら楽観できない。原子力2割も再稼働のペース次第で、現状の8.5%からの距離は大きい。「幅」とは不確実性の表現であって、上限が既定路線というわけではない。

なぜ再エネを増やすのか——建前と本音

環境省の検討委員会は、再エネ拡大の意義をグローバルからローカルまで複数の軸で整理している。ただ、政策の駆動力としての重みは均等ではない。経産省にとっての本丸は、まずエネルギー安全保障だ。自給率は2023年度で15.2%(速報値)にとどまり、化石燃料の輸入額は資源高と円安が重なった局面でピーク時に27.7兆円・GDP比5.7%規模(2010年代前半、資源エネルギー庁)まで膨らんだ。この海外への資金流出を止める——純国産電源としての再エネは、まずこの文脈で語られる。

産業競争力の強化や雇用創出は、その次に来る産業政策の論理である。雇用効果を「化石燃料発電の同程度から最大10倍」とする試算も引かれるが、これは労働集約的な小規模太陽光を含めた幅の上限であって、一般化には注意がいる。地域活性化や防災・レジリエンスに至っては、半分は本気の政策目的であり、半分は導入を地域に受け入れてもらうための受容のレトリックでもある。傾斜地開発のトラブルや景観・防災の不安が各地で噴出した経緯を踏まえれば、この「地域との共生」をどう実装するかが、後述する事業規律の議論へ直結していく。

温室効果ガスについては、2040年度に2013年度比73%減という目標が、同じ2025年2月18日に閣議決定された地球温暖化対策計画で置かれた(環境省)。直近の2022年度実績は、排出量と吸収量を合わせた純ベースで2013年度比22.9%減(排出量のみでは19.3%減)であり、73%への距離はなお遠い。

IEAの「エネルギー技術展望(ETP2014)」の2℃シナリオでは、2050年に世界のエネルギー起源CO2排出量を2011年比で半減させる場合、その削減への再エネの寄与度は34%と試算されている。IPCC第5次評価報告書(AR5)でも、2℃未満シナリオでは一次エネルギーに占める低炭素電源の割合が2050年に2010年比で3〜4倍になるとされる。再エネ拡大は、こうした国際的な脱炭素経路の中核に位置づけられている。

2. 達成率の数字を、律速要因へ翻訳する

第6次計画(2021年)が掲げた2030年度目標と、2024年12月末の導入量を電源別に並べると、達成見通しのばらつきが浮かび上がる。

2030年度目標 vs 2024年12月末導入量(GW)

太陽光:目標103.5〜117.6 / 導入75.6(認定済未稼働5.1を含め80.7)
陸上風力:目標17.9 / 導入6.0(認定済未稼働10.2)
洋上風力:目標5.7 / 導入0.3(公募済5.1を含め5.4)
地熱:目標1.5 / 導入0.6(認定済未稼働は約0.05とごくわずか)
中小水力:目標10.4 / 導入10.0
バイオマス:目標8.0 / 導入8.1(容量上は目標を超過)

出典:資源エネルギー庁 第74回 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会 資料(2025年6月)

表の値そのものは資料どおりだが、読み方には一段の翻訳がいる。稼働量と並べて「認定は取ったが動いていない」滞留ストック(太陽光5.1、陸上風力10.2GW)を併記したのは、業界の構造問題を正しく映すためだ。FIT認定を取得しても、系統や採算の壁で着工に至らない案件が積み上がっている。そして「達成率が高い/低い」の裏で効いている律速要因は、電源ごとにまったく異なる。

太陽光は、量だけ見れば世界最大級に達した。震災以降の約10年で再エネ全体は約2.2倍、太陽光に至っては約22倍に増え、国土面積あたりの設備容量は188kW/㎢(2024年・資源エネルギー庁の算定委員会資料、ドイツ187・英国68を上回る)に達した。「導入余地の大きい未開発市場」という日本の旧来像は、すでに過去のものだ。だが地上設置の適地は枯渇し、新規認定は減少に転じている。主戦場は屋根置き(新築戸建住宅の設置率は2024年度実績36.5%、2030年度目標60%)、営農型、水上、建材一体型へ移った。自家消費型も増え、2023年度の自家消費量は約14億kWh(約2GW、省エネ法定期報告ベース)に上る。もっとも、太陽光の本当の制約はもはや適地ではなく、後述する出力制御へ移りつつある。

風力は、陸上と洋上で詰まりの性格がまるで違う。陸上風力は目標17.9GWに対し導入6.0GWだが、認定済み未稼働が10.2GWと厚く積み上がっている——環境アセスメントの長期化と系統制約で着工に至らない「滞留」型の問題で、改正温対法の促進区域の活用と系統増強がテコになる。一方の洋上風力は導入0.3GWに対し目標5.7GW。この落差の真因は、適地でも技術でもなく、第1ラウンド公募の構造的な失敗にある。

第1ラウンド(一般海域)の公募では、2021年12月に結果が公表され、三菱商事を代表企業とするコンソーシアムが秋田県の「能代市・三種町・男鹿市沖」「由利本荘市沖」、千葉県「銚子市沖」の3海域をすべて落札した。売電単価は由利本荘市沖11.99円/kWh、能代等13.26円/kWh、銚子市沖16.49円/kWhと、入札上限や競合の半分から3分の2程度という極めて低い水準で、当時は「驚きの安値」と受け止められた。ところがその後、資材高騰・円安・金利上昇で採算が崩れる。三菱商事は2025年2月に522億円の減損を計上し、同年8月27日には建設費が入札時想定の2倍以上に膨らんだとして、落札した3海域すべてからの撤退を表明した。国(経済産業省・国土交通省)はこの事態を受けて公募制度を段階的に見直し、第2ラウンドでは1事業者あたりの落札上限(1GW)を導入、2025年度からは資材高騰分を売電価格へ反映する価格調整スキームを設け、撤退3海域の再公募に向けて価格点の比重を抑える審査見直しを進めている(経済産業省・国土交通省 資料)。「目標5.7に対し導入0.3」という数字の裏には、この安値受注から撤退、制度修正へという一連の崩壊がある。価格一辺倒の入札設計が事業を頓挫させたという教訓は、今後のラウンドの帰趨を左右するだろう。

地熱は導入0.6GW・目標1.5GW。認定済み未稼働は約0.05GWとごくわずかで、滞留ではなく新規開発そのものが進まない。律速は資源探査のリスクと、自然公園・温泉地との調整という規制・社会的制約だ。JOGMECによるリスクマネー供給と先導的資源量調査(自然公園内を含む)が中心施策で、バイナリー方式の小規模分散や、温泉熱を使う噴気レンタルなど、開発期間を短縮するモデルも出てきた。日本は世界有数の地熱資源国でありながら、開発余地の大半が手つかずのまま残っている。

中小水力は導入10.0GW・目標10.4GWと、残容量はわずか0.4GW。開発可能地点が奥地化して工期も延びるため、新規開発より既存設備の高効率化・運用最適化が追加発電量の現実的な源泉になる。地域の水利組合と設備リースで組み、初期投資ゼロで更新するスキームも広がりつつある。

そしてバイオマスは導入8.1GW・目標8.0GWで、表の上では唯一「達成済み」だ。だがこの達成は名目に近い。大型案件の多くは輸入木質ペレットやPKS(パームヤシ殻)に燃料を依存し、燃料価格の高騰と円安で変動費が買取価格を圧迫している。燃料の持続可能性(合法性・GHG・労働環境)の要件も強化され、調達のハードルは上がった。直近のFIP入札は入札量ゼロ——新規案件が市場で成立していない。設備容量の「達成」と事業の持続可能性は別物で、今後はむしろ純減もありうると見ている。

3. 本当の律速①——系統が呑み込めるか

再エネを「建てる」話から「使い切る」話へ。出力制御(出力抑制)は、もはや一部地域の例外ではない。九州では2018年に本土初の制御が発生して以降、毎年の恒常的な運用となり、2024年度も制御率は数%規模で定着している。さらに2024年度は、東北・中国・四国など九州以外でも制御率が明確に上昇し、東京エリアを除くほぼ全国(9エリア)へ広がった(資源エネルギー庁 系統ワーキンググループ)。電力消費が落ちる春・秋の軽負荷期に、太陽光・風力の供給が需要を上回る局面が各地で生じている。

接続のルールも変わった。2023年4月以降、新規電源は原則としてノンファーム型接続——空き容量の有無にかかわらず系統につなぐ代わり、混雑時には出力を絞られることを前提に接続される(電力広域的運営推進機関(OCCTO))。デベロッパーの目線では、「つなげるが、いつ・どれだけ絞られるかが読めない」という不確実性が、収益計画の最大のリスクになった。GX脱炭素電源法に基づく整備等計画認定スキーム(こう長100km以上または送電容量100万kW以上の連系線が対象)で連系線の増強は進むものの、マスタープランの実現は10年単位の話である。

もう一段深い論点が、系統そのものの安定性だ。太陽光・風力のように同期発電機を持たない電源が増えるほど、周波数を支える慣性力や、需給を合わせる調整力(ΔkW)、いざというときの供給力(kW)が相対的に細る。再エネが増えるほど、火力や原子力の役割は「発電量を稼ぐ」ことから「系統を支える」ことへ変質していく。再エネ4〜5割は、残る原子力2割・火力3〜4割をどう調整力として残すかという系統設計とセットで初めて意味を持つ。

こうした制約への現実解が、蓄電池の併設である。昼の余剰を夕方へ振り替えるタイムシフトが、出力制御下での収益を左右する。資源エネルギー庁は、優先給電のルールでFIT電源よりFIP電源の出力制御を優先する見直しを、早ければ2026年度から進める方針を示している(資源エネルギー庁「FIP制度に関する政策措置について」)。蓄電池やヒートポンプ、EVを束ねて需給に供するアグリゲーションも進展している。系統用・併設蓄電池は、もはや付加価値ではなく、収益確保の前提になりつつある。

4. 本当の律速②——事業として回るか

収益構造の側にも、見落とせない転換が起きている。出発点はFIT(固定価格買取制度、2012年7月開始)だ。国が定める買取期間——住宅用太陽光(10kW未満)は10年、事業用太陽光・風力・中小水力・バイオマスは20年、地熱は15年——にわたり固定価格で買い取り、その費用は電気料金へ上乗せされる賦課金で回収される。

この賦課金が、いま国民負担の論点の中心にある。制度初年度の2012年度は0.22円/kWhにすぎなかったが、2025年度は3.98円/kWh、そして2026年度は4.18円/kWhと、賦課金単価として初めて4円台に乗った(2026年3月19日、経済産業省)。月400kWhを使う標準的な世帯では、年約2万円の負担になる計算だ。FIT初期の高単価案件が累積負担の主因であり、政府がFIPや入札を通じてFITからの自立化を急ぐのは、まさにこの負担を抑えるためにほかならない。高単価案件が20年の買取期間満了を迎えるにつれ、賦課金の総額はいずれピークアウトへ向かうと見込まれ、政府資料では2033年度頃を転換点とする想定も示されるが、時期も水準も前提により幅があり、あくまで試算である点には留意したい。

その自立化の受け皿がFIP(フィードイン・プレミアム、2022年4月施行)だ。市場価格に上乗せのプレミアムを得る仕組みで、発電事業者が自ら環境価値を売り、需要家と直接取引することもできる。2024〜2025年には、従来は運転開始日で限定していた非化石価値(証書)の直接取引について、運転開始時期の制限を撤廃する方向が調達価格等算定委員会で整理された。ただしFIPは市場価格と出力制御のリスクを発電側が負う制度であり、前章で触れたとおり蓄電とセットでなければその変動を吸収しきれない。FIP移行と蓄電は、本来一体で設計すべきものだ。

さらに、買取期間を終えた電源——いわゆる卒FIT——は、もはや将来の話ではない。住宅用太陽光の10年買取満了は、2009年11月に始まった余剰電力買取制度から10年を経た2019年11月以降、順次発生している。資源エネルギー庁の試算では2023年までに累積で約165万件・約670万kW(約6.7GW)が満了する見込みだ(資源エネルギー庁)。相対契約、アグリゲーターによる束ね、自家消費へのシフト——これらの市場は、未来形ではなくすでに立ち上がって動いている。卒FITは現在進行形の現実だ。

そしてこの「事業として回るか」の議論には、避けがたい矛盾が埋め込まれている。国民負担を抑えよ(コストを下げよ)という圧力と、地域と丁寧に共生せよ(合意形成・利益還元・アセスにコストをかけよ)という要請は、しばしば正面からぶつかる。安くしろ、でも丁寧にやれ——この二律背反を一つの事業計画の中でどう両立させるかが、デベロッパーが日々直面する現実である。

5. 残る論点——イノベーション、地域受容、廃棄

主力電源化に向けた構造課題のうち、ここまで触れていない論点を、時間軸の遠近とともに整理しておきたい。

技術——期待と冷静さの間で

適地制約を突破する切り札として、ペロブスカイト太陽電池、浮体式洋上風力、次世代型地熱が政策の柱に据えられている。ただし実務的には、それぞれに商用化の律速がある。ペロブスカイトは、政府がGX目標で2040年に20GWを掲げるが、変換効率・耐久性(寿命)・大面積量産の歩留まり・鉛含有への環境規制が壁で、コストと耐久で中国製の結晶シリコンと競えるかはなお未知数だ。「社会実装の加速」という政策コピーをそのまま受け取るより、ここは慎重に見ておきたい。

浮体式洋上風力は、着床式が経済的に成立しにくい水深50m前後を超える深い海域で優位に立つ。世界では2009年稼働のノルウェー沖の実証機(Hywind Demo)に始まり、2017年運転開始の英国スコットランド沖Hywind Scotlandが商用ウインドファームの先駆けとなった。日本では、長崎県五島市沖が再エネ海域利用法に基づく国内第1号案件として2026年1月5日に商用運転を開始している(2.1MW×8基=16.8MW、経済産業省)。一方、かつて注目された福島県沖(楢葉町沖)の浮体式実証は、最大の7MW機の設備利用率が約3.7%にとどまるなど採算が見込めず、2021年度までに全基が撤去された(総括委員会の最終報告書は2022年8月付)。技術の社会実装は、五島の前進と福島の撤退、その両方から学ぶべき段階にある。

地域受容——事業規律と利益の分配

傾斜地開発の安全性や住民説明の不足が各地でトラブルを生んだことを受け、改正再エネ特措法・改正温対法による事業規律の強化、地域脱炭素化促進事業制度(再エネ促進区域)などの枠組みが整えられた。前向きなモデルも生まれている。佐賀県や岩手県では、産業団地の整備と再エネ導入を束ね、再エネ電力の活用・電気料金の抑制・雇用創出を一つのプロジェクトで実現する試みが動いている。地域受容は規制対応であると同時に、プロジェクト設計の初期段階から地域の利害関係者と便益を分かち合えるかという、事業の根幹にかかわる問題だ。

使用済パネル——時間軸は2030年代半ば以降

使用済太陽光パネルの大量廃棄は、サーキュラーエコノミー政策との結節点にあり、資源有効利用促進法の対象品目追加が検討されている。不十分な管理で放置されたパネルや、含有物質情報の管理不足といった論点もある。ただし大量廃棄が本格化するのは2030年代半ば以降で、出力制御や系統制約のような「いま事業を左右する」論点とは時間軸が異なる。重要ではあるが、優先度の置き方を間違えないことが肝心だ。

制度手続きの全体像

参考までに、再エネ事業に伴う許認可は電源・規模・立地で大きく変わる。電気事業法系(工事計画届出、使用前自己確認、保安規程、主任技術者選任)、建築基準法、消防法、農地法・農業振興地域法(農地転用)、森林法(林地開発)、環境影響評価法、都市計画法(開発許可)、土壌汚染対策法など多岐にわたり、新規参入者が見落としやすい。なお省エネ法では2023年4月から、エネルギー使用量1,500kL/年度以上の特定事業者に非化石エネルギー使用状況の報告が義務化され、投資家が企業の再エネ調達を比較評価する材料にもなっている。

6. 事業者にとっての論点

ここまでの整理を、事業の構えに落とし込むとどうなるか。まず確認すべきは、量を建てる競争はもう差別化要因ではないということだ。世界最大級まで積み上がった日本市場で、これからの優劣は「系統制約をどう乗りこなし、収益をどう設計するか」で決まる。

立地は「適地」から複合用途へ——屋根、営農型、水上、駐車場、空港、産業団地と、立地ごとの収益モデルと許認可ハードルを見極めて事業ポートフォリオを組む。収益構造は、FIPと蓄電池とコーポレートPPA一体で設計するのが要諦だ。FIP単独では出力制御と市場価格の変動をそのまま被るが、蓄電によるタイムシフトと、需要家の脱炭素ニーズ(RE100、SBTTCFD対応)に紐づく長期PPAを組み合わせれば、固定価格に近い経済性を取り戻せる。そのうえで系統の読み——ノンファーム接続下での制御量の見積もりと、連系線増強の時間軸——を、事業計画の前提に正面から織り込むことだ。

第7次計画の2040年4〜5割は、確かに一つの到達点を示した。だが本稿で見てきたとおり、その実装で問われるのは設備容量の積み上げ方ではなく、出力制御・系統接続・収益構造・地域受容という質の設計である。早く動いて系統制約を織り込み、適地と長期PPA、地域の信頼、技術ノウハウといった模倣困難な資産を先に押さえた事業者ほど、量の時代が終わったあとの競争を有利に進められる。日本の再エネは、「どれだけ建てるか」から「どう使い切り、どう稼ぐか」へと、問いの立て方そのものが変わった。

こんなときに、Sasla

・特定地域・電源の再エネ事業の事業性評価で、業界専門家の感覚値が欲しい
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Saslaには、エネルギー事業者、エネルギー金融経験者、政策出身者、再エネベンチャー経験者、地域コーディネーターなど、業界横断のサステナビリティー専門家が登録しています。1時間のスポットインタビューから本格的なリサーチ・伴走支援まで、フェーズと予算に応じて活用可能です。

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