本稿は、Sasla運営代表として、中堅・中小企業のサステナビリティー対応を実務目線で整理するものである。2026年現在、上場企業向けの議論はSSBJサステナビリティ開示基準の段階適用フェーズに入り、その波は確実にサプライチェーン全体——とりわけ取引先である中堅・中小企業——に及んでいる。一方で、現場の声を聞くと「やるべきとは聞くが、何から手をつければ良いのか分からない」「専属担当を採用する余力も確信もない」「大手コンサルは規模感が合わない」という、共通の3つの壁にぶつかっている。本稿では、この3つの壁に対して、採用・大手コンサル・月額型アドバイザリーという3つの選択肢を、予算・期間・カバー領域の観点から比較し、中堅・中小企業にとっての現実的な進め方を提案する。
1. なぜ今、中堅・中小企業もサステナビリティーが避けられないのか
「上場企業の話でしょう」「うちはまだ早い」——数年前まで通用したこの認識は、2026年現在、実務として通用しなくなりつつある。中堅・中小企業をサステナビリティー対応に向かわせる圧力は、少なくとも4方向から同時に来ている。
1-1. サプライチェーン要請:プライム上場企業からのデータ提供依頼
最も強い波は、SSBJ(サステナビリティ基準委員会)の開示基準義務化に伴うサプライチェーン要請である。金融庁の方針では、2027年3月期から時価総額・売上高3兆円以上のプライム上場企業を皮切りに、有価証券報告書でのサステナビリティー情報開示が義務化される。対象は2028年3月期に1兆円以上、2029年3月期に5,000億円以上へと段階的に拡大する。
SSBJ義務化スケジュール(金融庁方針)
・2027年3月期:時価総額・売上高3兆円以上のプライム上場企業
・2028年3月期:1兆円以上
・2029年3月期:5,000億円以上
・5,000億円未満は、開示状況・投資家ニーズを踏まえ今後検討
義務化される情報には、自社の直接排出(Scope1)・購入電力(Scope2)だけでなく、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出(Scope3)が含まれる。Scope3には「購入した製品・サービス」「上流の輸送・配送」など15のカテゴリが定義されており、開示企業はその算定のために取引先である中堅・中小企業に対して排出データの提供を求める。
すでに製造業を中心に、プライム上場企業の購買部門から「貴社の年間CO2排出量を提示してください」「2030年までの削減計画を共有してください」といった依頼が中堅・中小企業に届き始めている。これに応えられない取引先は、中期的にサプライヤーリストから外れるリスクを抱える。脱炭素対応力が、いまや取引継続の前提条件になりつつある。
実務的に最も問われるのはScope3のうち Category 1(購入した製品・サービス) である。製造業・食品・流通といった業種では、Scope3全体の50〜80%超をCat.1が占める事例も珍しくなく(公表事例で三菱食品はScope3の8割超、コカ・コーラ ボトラーズジャパンHDで5割超)、自社製品の原材料・部品を供給している中堅・中小企業が、データ提供の最前線に置かれる。続いて Category 4(上流の輸送・配送)、Category 11(販売後の使用)が問われる業界もあるが、最初の関門は Cat.1 と理解しておけば実務判断を誤らない。
同様の波は人権領域にも及んでいる。経産省「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」(2022年9月策定)と、2027年以降に段階適用が予定されている EU CSDDD(企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令、グループ3の従業員1,000人以上規模は2029年7月から義務開始)により、大企業のサプライヤーである中堅・中小企業にも人権リスクの自己点検・是正対応が事実上求められる構造になっている。脱炭素より対応難度は高いが、回避不能な領域である。
1-2. 金融機関・投資家の評価軸への組み込み
もう一つの圧力は金融サイドから来ている。メガバンクや地方銀行は、サステナビリティー対応を融資判断・金利優遇の評価項目に組み込み始めた。サステナビリティー・リンク・ローン、トランジション・ファイナンス、ESG評価連動型融資といったプロダクトは、未上場の中堅企業も対象に拡大している。
未上場の中堅企業でも、メインバンクからのヒアリングで「貴社のサステナビリティー方針はどうなっていますか」と問われるケースが増えている。これは融資審査の本格的な評価項目化の前段階にあたり、明確な方針と推進体制を持っているかどうかが、数年後の調達コストに直結し始めている。
具体的な制度としては、日本政策金融公庫の「環境・エネルギー対策資金」(GX関連・非化石エネルギー関連・再生可能資源関連等の特別利率枠)、複数の地方銀行(八十二銀行、群馬銀行、京都銀行、千葉興業銀行 等)が中堅・中小向けに提供するサステナビリティ・リンク・ローン(SPTsと呼ばれる目標と金利優遇を連動させる仕組み)などがある。「金融機関への伝え方」と「金融機関が見ている指標」を理解しているかどうかで、調達条件が有意に変わる時代に入っている。
1-3. 顧客・採用市場からの評価
B2Cの中堅企業では、サステナビリティー対応がブランド評価と直結する。とりわけZ世代以降の顧客層・採用候補者は、企業のサステナビリティー姿勢を購買判断・志望企業選定の重要な判断材料としており、対応の遅れは顧客離反・採用難として顕在化する。
B2Bでも、近年は採用候補者からの逆質問として「御社のサステナビリティー方針は?」「サステナビリティーレポートはありますか?」が増えている。優秀な若手層ほどこの傾向は強い。サステナビリティー対応の遅れは、人材獲得競争において確実な不利として作用する。
1-4. 規制の段階的拡大
SSBJ義務化に加え、改正省エネ法による報告対象の拡大、人的資本開示の項目追加、CSRD(欧州サステナビリティー報告指令)の在欧子会社への影響など、規制サイドからの要請も継続的に増えている。一度に全てに対応する必要はないが、自社にとって何が「次に来る」のかを把握しておかないと、毎年場当たり的な対応に追われることになる。
2. 中堅・中小企業が直面する3つの現実
圧力が増す一方で、現場の経営者・推進担当者と話していると、共通の3つの悩みに必ず行き当たる。
2-1.「何から始めるか分からない」
ESG・サステナビリティーは、開示・脱炭素・人的資本・サプライチェーン・人権・生物多様性…と領域が極めて広い。それぞれにISSB、SSBJ、TCFD、TNFD、SBT、Scope1〜3、HRDD(人権デューデリジェンス)、CDP、ESG格付け…と専門用語が並ぶ。「自社にとっての優先順位」を整理しないまま情報収集を始めると、半年経っても何も決まらない、という状況に陥りやすい。
多くの場合、必要なのは追加の情報ではなく、「自社の取引先・投資家・規制の動向から見て、来年・再来年に最も重要なものは何か」を一緒に整理してくれる相手である。
2-2.「専属担当を採用する余力も、確信もない」
サステナビリティー専門人材の採用市場は、需給が完全に逆転している。一般的な相場感として、サステナビリティー推進職の年収は600万〜1,000万円、管理職手前で800万〜900万円、戦略コンサル・監査法人出身者なら若手でも1,000万円超のオファーが出ることも珍しくない。これに社会保険料・採用エージェント手数料(年収の30〜35%)を加えると、初年度の総コストは1,000万〜1,500万円規模になる。
さらに難しいのは、採用しても業務量が安定するまでに時間がかかることだ。サステナビリティー推進は単発のプロジェクトではなく継続的な活動だが、立ち上げ初期は「何をやるか」自体が定まっていない。フルタイムの担当を雇うほどの業務量が見通せないまま、固定費だけが先に立つ——これが、多くの中堅・中小企業で採用判断を躊躇させる構造的な理由になっている。
2-3.「大手コンサルは規模感が合わない」
大手戦略系・大手会計系コンサルファームに見積もりを取ると、プロジェクト単位で数百万円から数千万円が一般的な水準である。マテリアリティ特定、開示準備、GHG算定、戦略策定…それぞれが独立した「プロジェクト」として組まれ、合計すると年間予算が一気に膨らむ。
大手コンサルの専門性と推進力は確かに高い。しかし、中堅・中小企業の経営者が本当に欲しているのは、多くの場合「日常的に、ちょっと相談できる相手」であって、毎月100万〜300万円超の固定アドバイザリー契約や、数千万円のプロジェクトではない。プロジェクト型は、立ち上げのある段階では強力に機能するが、その前後の「考えを整理する」「他社事例を確認する」「資料の方向性を見てもらう」といった日常的な使い方には向いていない。
3. 3つの選択肢を、実務目線で比較する
この3つの現実に対して、企業が取り得る選択肢は、論点を整理すると「採用する」「大手コンサルに頼む」「月額型アドバイザリーを使う」の3つに集約される。それぞれの特徴を、月額コスト・立上げ期間・カバー領域・気軽な相談・解約柔軟性・本格案件対応の6軸で見てみる。
3-1. 選択肢A:専属担当を採用する
自社にサステナビリティー部門を立ち上げ、専属担当者を雇用する選択肢。長期的に最も「自前化」できる方法だが、立上げまでの時間と固定費負担が重い。
採用の現実コスト感(一般的な相場として)
・年収目安:600万〜1,000万円(管理職手前で800万〜900万円、コンサル出身者で1,000万円超)
・社会保険料込み:年収の約1.15倍
・採用エージェント手数料:年収の30〜35%(初年度のみ)
・初年度総コスト:1,000万〜1,500万円規模(月額換算で約80〜125万円)
・立上げ期間:採用に3〜6ヶ月、独り立ちに更に数ヶ月
採用が機能する条件は限定的だ。①既に複数の本格プロジェクトが並行している、②社内外の関係者調整が大量に発生する、③長期的にサステナビリティー部門として組織を作る方針が明確——のいずれかが当てはまる企業に向く。逆に、初期段階で何をやるか定まっていない・業務量が不安定な状態で採用を決めるのはリスクが高い。
3-2. 選択肢B:大手コンサルファームに発注する
プロジェクト単位で大手戦略系・大手会計系のコンサルファームに発注する選択肢。最大級の専門性と推進力を得られる一方、料金体系は中堅・中小企業の予算感とずれる場合が多い。
大手コンサルの一般的な相場感
・プロジェクト単価:数百万円〜数千万円(マテリアリティ特定、開示準備、戦略策定など)
・月次アドバイザリー:月額100万〜300万円超
・立上げ期間:RFP・提案・契約に1〜2ヶ月
・解約:契約期間(半年〜1年)の縛りあり、中途解約に違約条項のケース
大手コンサルに頼むべきは「規模と専門性が両方必要な案件」に絞られる。M&Aサステナビリティー BDD等の大型一発案件、全社的なサステナビリティー戦略の抜本見直し、グローバル展開先での開示対応など、独立したプロジェクトとして組成する価値がある場面が中心となる。逆に「ちょっと聞きたい」「資料の方向性を見てほしい」といった日常的な用途には、コスト構造的に向かない。
3-3. 選択肢C:月額型アドバイザリーサービス(サブスク型)
近年登場し始めた第三の選択肢が、月額定額で専門家チームに「質問し放題」アクセスできるサブスクリプション型のアドバイザリーである。本稿の発行元であるSaslaが提供する「Saslaサブスク」もこの類型に属する。
月額型アドバイザリーの典型的な提供条件
・月額:30万円〜(会社規模により変動)
・含まれるもの:チャット・メールでの質問し放題、月1回の定例打合せ(60分目安)、資料レビュー、専門家ネットワーク接続
・立上げ期間:契約後、最短数日〜2週間で開始
・解約:月単位、違約金なし
サブスク型がフィットする企業像は、採用とコンサルの「中間ゾーン」にいる中堅・中小企業である。これからサステナビリティー部門を立ち上げる段階、採用するほど業務量が安定しないが継続的に相談相手が欲しい、大手コンサルに頼むほどでもない日常的な論点が多い——こうした状況が当てはまる場合は、最も費用対効果が高い選択肢となる。本格的なM&A BDD等の大型案件は月額の範囲外として別途見積もりになるが、「どこから別途見積もりに切り替えるべきか」の判断自体も月額の枠内で相談できる。
3-4. 6軸比較表
3つの選択肢を同じ土俵で並べると、以下のようになる。
採用 / 大手コンサル / 月額型サブスクの6軸比較
月額コスト:採用 月60〜100万円 / コンサル 月100〜300万円超 / サブスク 月30万円〜
立上げ期間:採用 3〜6ヶ月 / コンサル 1〜2ヶ月 / サブスク 数日〜2週間
カバー領域:採用 個人の専門範囲 / コンサル 担当チームの範囲 / サブスク ネットワーク全域
気軽な相談:採用 自社内に在籍 / コンサル 都度見積り / サブスク 質問し放題
解約柔軟性:採用 雇用契約のため難 / コンサル 契約期間拘束 / サブスク 月単位
本格案件対応:採用 単独では限界 / コンサル 得意領域 / サブスク ネットワーク接続で対応
※「採用」「大手コンサル」のコストは、サステナビリティー領域における2026年時点の一般的な相場感を、求人媒体・各種公開情報を基に整理したもの。実際の金額は企業規模・業界・契約形態により大きく異なる。
重要なのは、この3つは排他的な選択ではないということだ。多くの中堅・中小企業にとって現実的なのは、「サブスク型で日常の論点整理と推進体制構築を行いつつ、M&A BDD等の本格案件のときだけ大手コンサルにスポット発注する」「サブスクで2〜3年伴走しながら専属担当採用の準備を進める」といった、段階的な組み合わせである。
4. 中堅・中小企業がまず取り組むべき5ステップ
選択肢の前に、「そもそも何から手をつけるか」を整理する。私が経営支援の現場で繰り返し提案している、最初の半年〜1年で取り組むべき5ステップを紹介する。
Step 1:取引先・投資家・規制の要請を棚卸す
主要取引先(特に上場企業)から、過去1年でどのようなサステナビリティー関連の質問・データ提供依頼が来ていたかを集める。営業部門・調達部門・経営企画部門が個別に受けているものを統合的に集めるのがポイントだ。これが「自社にとって何が優先か」の最初の手がかりになる。同様に、メインバンク・主要株主・所属業界団体からの要請も棚卸す。
Step 2:マテリアリティ仮説を5項目に絞り込む
棚卸した要請を、「自社事業へのインパクト」と「外部ステークホルダーからの関心」の2軸で整理し、上位5項目をマテリアリティ仮説として置く。完璧を目指す必要はない。仮説で良いので、まず「これとこれに集中する」を経営層と合意することが、その後の全ての活動の判断軸になる。
Step 3:推進体制(最小構成)を設計する
部門新設は急がない。まずは経営企画 or 総務 or 経営層直轄に「サステナビリティー推進担当」を兼務で1〜2名置き、外部アドバイザー(採用 / コンサル / サブスクのいずれか)と組む。月1回の経営会議でサステナビリティーを定例議題化することが、組織への定着を加速させる。
Step 4:GHG算定(Scope1+2)を着手する
多くの中堅・中小企業で、最初に求められるアウトプットがGHG排出量の把握である。Scope1(自社の燃料消費)・Scope2(購入電力)は、電力・燃料の使用量データさえあれば算定可能で、Scope3より着手が容易だ。Scope2については、地域平均の排出係数を使う「ロケーション基準」と、契約電力プランの排出係数を使う「マーケット基準」の両方で算定するのがGHG Protocolの標準である(再エネ電力プランや非化石証書の効果はマーケット基準にのみ反映される)。最初の試算は、中小機構が無料で提供しているCO2算定支援(年3回まで、専門家による工場訪問を含む)を使うのが合理的である。
Step 5:開示・発信を段階的に行う
いきなり統合報告書を作る必要はない。まずは自社Webサイトに「サステナビリティー」ページを設け、方針・マテリアリティ・GHG実績(算定できた範囲)・代表メッセージを掲載する。これだけで取引先・採用候補者・金融機関への説明資料として機能する。1〜2年目はWebサイト、3年目以降に簡易レポート、と段階的に拡張していく。
5. 使える公的支援を組み合わせる
中堅・中小企業の対応コストを下げるために、公的支援を積極的に組み合わせるべきである。代表的なものを挙げておく。
5-1. 中小機構:CO2排出量算定支援
独立行政法人 中小企業基盤整備機構が、中小企業向けにCO2排出量算定の無料支援を提供している。専門家による工場訪問を含み、年3回まで利用可能。算定方法の解説、課題の特定、目標設定まで伴走してくれる。Step 4(GHG算定着手)の最初の試算はこれが使える。
5-2. 環境省:SHIFTプログラム・脱炭素化事業
環境省は、産業施設のCO2削減を対象としたSHIFTプログラム、バリューチェーン全体の脱炭素化を支援する事業など、複数の補助金を運営している。令和8年度(2026年度)予算でも継続的に拡充されており、設備投資型の取り組みには活用余地が大きい。
5-3. 経産省:サプライチェーン全体での脱炭素推進事業
経済産業省は、企業間連携によるScope3削減事業を含む複数の支援プログラムを展開している。サプライチェーン要請に応えるための取り組みの一部に、公的資金を当てることが可能だ。
5-4. 都道府県・市区町村の独自施策
東京都の「中小企業のためのゼロエミ実現支援」など、自治体独自の補助金も多い。本社所在地の自治体公式サイト・商工会議所で最新の支援メニューを確認すべきである。
6. 第三の選択肢としての「Saslaサブスク」
本稿の発行元であるSasla(サスラ)は、サステナビリティー領域の専門家プラットフォームを運営している。2026年5月、その新サービスとして、中堅・中小企業向けに月額定額のアドバイザリーサービス「Saslaサブスク」を提供開始した。
設計思想はシンプルである。中堅・中小企業の経営者・推進担当者が「採用するほどの業務量はない、しかし大手コンサルは予算が合わない」というギャップに陥っているなら、その間に位置する選択肢が必要だ——という発想で組み上げた。
Saslaサブスクの概要
・月額30万円〜(会社規模により変動)
・チャットで質問し放題(回数制限なし、平均回答1営業日)
・月1回の定例打合せ(60分目安、議事録あり)
・10+領域への専門家ネットワーク接続(必要に応じて領域別の専門家にリレー)
・月単位で解約可能、最短数日〜2週間で開始
・初回相談・お見積りは無料
具体的にご相談いただいている内容は多岐にわたる。「ESG/SDGsの全体像を整理したい」「マテリアリティ仮説を一緒に議論してほしい」「初年度のサステナビリティーレポートの構成を見てほしい」「取引先からの脱炭素要請にどう答えるべきか」「投資家・金融機関への説明資料をレビューしてほしい」——日常の壁打ちから、年次の重要意思決定まで、月額の枠内で対応する。本格的なM&A BDD・大規模リサーチが必要な場合は、Sasla本体の企業様向け支援として別途見積もりで対応する仕組みになっている。
「採用かコンサルか」の二択で動けずにいる中堅・中小企業の方には、第三の選択肢として一度ご検討いただきたい。
月単位で解約可能 / 最短数日〜2週間で開始 / 初回相談・お見積り無料
7. まとめ
SSBJ義務化、Scope3のサプライチェーン要請、金融機関の評価軸組み込み、人材獲得競争——中堅・中小企業がサステナビリティー対応を避けられなくなる構造は、すでに固まっている。一方で、現場の経営者が直面する「進め方が分からない」「専属採用の余力がない」「大手コンサルは規模感が合わない」という3つの壁も、依然として残っている。
本稿で整理した通り、解は「採用 vs コンサル」の二択ではない。月額型アドバイザリーという第三の選択肢を含めて、自社の段階・予算・想定業務量に合わせて組み合わせるのが、最も現実的なアプローチである。重要なのは、完璧な体制を一気に作ろうとせず、5ステップを順番に進めながら、外部の専門家を必要なだけ使い分けることだ。中堅・中小企業らしい、軽くて柔軟なサステナビリティー推進体制を、現実的なコストで作ることは十分に可能である。
本稿が、サステナビリティー対応に悩む中堅・中小企業の経営者・推進担当の方々の、最初の意思決定の整理に役立てば幸いである。具体的なご相談は、いつでもお気軽にお寄せいただきたい。
著者:今井 健太郎(Kentaro Imai)
株式会社KI Strategy 代表取締役 / 情報経営イノベーション専門職大学(iU)客員教授。早稲田大学政治経済学部国際政治経済学科卒。野村総合研究所を経て2016年に株式会社KI Strategyを設立。事業会社の経営戦略・中期経営計画策定支援、新規事業開発支援を専門とし、サステナビリティーとイノベーションを横断する実務支援を提供。サステナビリティー専門家プラットフォーム「Sasla(サスラ)」の運営代表。近著『クリエイティブ・イノベーションの道具箱』。